RYT200とRYT500の違いは、200時間と500時間という数字だけではありません。登録までに必要なトレーニングと、指導経験の条件が異なります。すでにRYT200の対象課程を修了している人が、必ず最初から500時間を受け直すわけでもありません。
一方で、学ぶ時間が長ければ、自分の疑問がすべて解決するとも限りません。基礎を体系的に学びたいのか、指導を始めて見つかった課題を深めたいのか。制度上の違いを押さえてから、今の自分に必要な内容を選ぶと、講座名や数字だけに振り回されずに済みます。
RYT200とRYT500は、学習時間と指導経験の条件が違う
Yoga Allianceの公表基準では、RYT200はRYS200の200時間トレーニング修了が対象で、登録時の指導経験は求められていません。RYT500には、RYS500の500時間課程を修了する経路と、RYS200の200時間にRYS300の300時間を組み合わせる経路があります。
RYT500の登録には、RYS200またはRYS500のトレーニング修了後、少なくとも100時間の指導経験も必要です。講座の受講・修了と、Yoga Allianceへの登録は分けて考えましょう。
| 確認する項目 | RYT200 | RYT500 |
|---|---|---|
| トレーニング | RYS200の200時間課程 | RYS500の500時間課程、またはRYS200の200時間+RYS300の300時間 |
| 登録に必要な指導経験 | なし | 所定の課程修了後に100時間以上 |
| 講座選びの出発点 | 基礎をどのように理解し、練習するか | 既に学んだ内容に、どの課題を加えて深めるか |
表の制度条件は2026年9月8日に確認したYoga Allianceの登録基準に基づきます。最後の行は、その違いを講座選びに活かすための編集部の整理です。

RYT200を持っているなら、追加の300時間がどんな内容かを見る
RYT200の対象課程を修了している人にとっては、「もう一度500時間」という思い込みを外すことが第一歩です。追加300時間の課程で学ぶ経路を検討するなら、修了済みの課程を踏まえて申し込めるか、応募先の説明を読み、自分の修了証を示して相談できます。
そのうえで大切なのは、300時間の中身です。解剖学を学び直したい人と、レッスンを組み立てる力を伸ばしたい人では、同じRYT500を目指していても優先したい授業が違います。講義の科目名だけでは、その違いは見えにくいものです。
例えば「解剖学」と書かれていたら、知識を聞いて終わるのか、実際の動きを見て説明する練習まで行うのかを尋ねます。「指導法」なら、誰に対して、何分程度の指導を行い、どんなフィードバックを受けられるのか。今困っている場面を一つ伝えると、講座の内容との接点が分かります。
「生徒の質問にうまく答えられなかった」「いつも同じレッスン構成になる」「自分と体の違う人への案内に迷う」。こうした具体的な課題があれば、時間数を増やすことと、学びたいことを深めることを結び付けやすくなります。
ヨガ歴が長くても、RYT200で基礎を学び直す意味はある
長くヨガを練習してきた人が、最初からRYT500だけを候補にする必要はありません。練習経験と、人に伝えるために体系的に学んだ経験は、重なる部分があっても同じではないからです。
OREO YOGA ACADEMYでRYT200を学んだ石井えみさんは、受講前にヨガを7年間続けていました。毎日練習しているなら資格を取ってみては、と友人に勧められたことがきっかけです。本人にも、長く続けてきたヨガをもっとしっかり学びたいという思いがありました。
スクール選びでは、在宅で自分のペースで始められるスクールを探していました。
と振り返っています。さらに、オンラインで受講生同士が共同で課題を進める形式より、自分の動きを個別に見てもらえることを重視しました。
長く練習していても、分からないことを人前で質問しやすいとは限りません。えみさんにとっては、講座の時間数に加えて、疑問をそのまま持ち込める場が重要だったことが分かります。
「大人数のクラスですと性格的に手を挙げて聞きづらいので聞きやすかったです。1対1だからこそ何でも話せました。ポーズも合っているかしっかりみてもらえたので良かったです。」
講座を選ぶときには、時間数に加え、自分が質問し、動きを見てもらえる方法まで考えたいところです。年数だけを根拠に基礎を飛ばすより、理解が曖昧なところを率直に確認できる環境を選ぶ方が、今後の練習に役立つこともあります。
資格を選ぶ前に、指導で困っている場面を言葉にする
「知識を増やしたい」をもう少し具体的にすると、講座の選び方が変わります。自分の練習を深めたいのか、人の体を見て案内したいのか、指導の仕事へ踏み出したいのか。最初から一つに決め切らなくても、いま最も答えが欲しい問いは挙げられます。
OREOの講師・間宮愛さんは、資格取得中にアジャストへの不慣れさを感じ、タイ古式マッサージを学びに行った経緯を振り返っています。人への触れ方や圧のかけ方、解剖学などを学び、その後、人に教える経験が現在の資格講座の指導にもつながったと振り返っています。
「指導でうまくできないこと」が学ぶ内容を選ぶきっかけになった例です。RYT500を検討するときも、資格名に必要な時間を満たすことと、自分の課題に取り組めることの両方を見たいところです。
今後、高齢者向けに教えたいのであれば、年齢だけで人を一括りにせず、経験や動き方の違いをどう理解するかが課題になります。運動経験のある人に教えてきたなら、初めてヨガに触れる人への説明で何を変えるかを考えられます。こうした問いを講座の説明会に持っていくと、科目一覧を眺めるだけでは分からなかった授業の深さを聞けます。

仕事につなげたいなら、学習と応募の準備を別々に進める
RYT500という登録を目指すことと、希望するスタジオでレッスンを担当することは別の目標です。追加学習が必要な場合もあれば、現在の学びを使って応募や指導練習に踏み出す時期である場合もあります。
えみさんは、最後のマンツーマンセッションで、高齢者にヨガを教えたいという希望を伝えました。担当したかった場所は募集を締め切っていましたが、講師から自分で連絡してみるという助言を受け、実際に行動しています。その後、レギュラーレッスンを担当することになったと受講記録で報告しています。
ここで行われたのは、上位資格を取るまで待つことではなく、目標を講師に話し、応募先へ連絡することでした。学ぶことと、応募先に求められる準備を知ることを並行して進められる例です。
求人やオーディションを検討するときは、必要な資格、担当するレッスン、実技審査、勤務条件を応募先の案内で確認します。今の自分に不足しているのが登録資格なのか、指導経験なのか、レッスンを見せる準備なのかで、次に使う時間は変わります。
受講を決めるときは、修了までの生活も組み立てる
RYT500の対象課程には長い学習が含まれます。まとまった時間を確保するのが難しい場合、動画を見られる時間だけでなく、実技や課題に取り組む時間を分けて考えると現実的です。通学なら移動、オンラインでも講師と時間を合わせるセッションなど、自分だけでは動かせない予定があります。
費用も、講座の受講料とYoga Allianceへの登録関連費用を別に見ます。すでに修了した課程の扱い、受講できる期限、課題の提出や実技確認の条件まで分かれば、無理なく続けられるかを判断しやすくなります。
まだ学びたいテーマが曖昧なら、最近の練習や指導で答えられなかった質問を三つ程度書き出してみてください。その質問を候補講座で扱うか、誰に相談できるかを聞く。単に「自分に合う資格はどちらですか」と尋ねるより、具体的な回答を得られます。
数字より、今の課題に合う学びを選ぶ
基礎を体系的に学ぶ出発点としてRYT200を考えるのか、既修了の学びと経験を踏まえてRYT500へ進むのか。制度上の条件を確認したうえで、自分が次に理解したいことを重ねて選びましょう。
長い練習歴があっても、質問できる環境や個別の実技確認によって学びが進むことがあります。すでに資格を持っている人には、ヨガ資格を持つ人の学び直しも参考になります。受講形式に迷う場合は、質問・実技添削などのサポート比較から、自分に必要な支援を具体化できます。
参考情報
Yoga Alliance:Registered Yoga Teachersの登録基準(2026年9月8日確認)。受講経験はALIGN保有のOREO受講者インタビュー「石井えみ」より。講師の学習経験は間宮愛の登録プロフィール・エピソードより紹介しています。










