ヨガアライアンスの継続教育という言葉を耳にするとき、多くの人が「資格を維持するための義務」として捉えがちです。しかし、RYT200を取得した後に継続教育と向き合った人の話を聞くと、そこには制度の話をはるかに超えた、学びの本質が見えてきます。フルリモートワークへの移行と海外移住という大きな転換期に、かつてオーストラリアで感じた豊かさをもう一度手に入れたいという思いからRYT200の取得を決意した杏奈さんの歩みは、ヨガアライアンスの継続教育が持つ意味を、制度の外側から照らし出してくれます。
この記事のポイント
- ヨガアライアンスの継続教育(YACEP)は3年間で30時間の学習が必要で、うち最低10時間はコンタクトアワーとして認定プロバイダーのプログラムを受講する必要があります。
- RYT200取得後も学びを止めないことが、指導の質を高め、自分自身の実践を深める最も確実な道です。
- 仕事・育児・海外生活など制約がある状況でも、自分のペースで学べる環境を選ぶことで、継続教育は「義務」ではなく「自分への投資」として機能します。
ヨガアライアンスの継続教育とは何か?
ヨガアライアンスの継続教育(YACEP:Yoga Alliance Continuing Education Provider)とは、RYT資格を取得した後に資格を維持・更新するために必要な学習プログラムのことです。全米ヨガアライアンスの基準では、3年間で30時間の継続教育が求められており、そのうち最低10時間はコンタクトアワー(認定プロバイダーが提供するプログラムへの参加)として充てる必要があります。残り20時間は自己学習として認められています。
資格を取得したら終わりではなく、継続的に学び続けることが求められます。この仕組みは、ヨガ指導の質を社会的に担保するための制度的な枠組みです。全米ヨガアライアンスは、資格維持のためにはこの継続教育の受講と会員資格の更新、そしてYoga AllianceのEthical Commitmentへの遵守が必要と定めています。
ただし、制度の説明だけでは見えてこないことがあります。継続教育を「義務として消化する」人と、「自分の指導と実践を深めるための機会として活用する」人とでは、同じ30時間でも得られるものがまったく異なります。杏奈さんが歩んだ道は、後者の意味での継続教育の価値を体現しています。
なぜ資格取得を決意したのか?ヨガとの再会
杏奈さんがRYT200の取得を決意した背景には、単純な「資格が欲しい」という動機とは異なる、もっと個人的な渇望がありました。パンデミックを経てフルリモートワークになり、海外移住という大きな変化が重なった時期、心身のバランスを保つことが難しくなっていたといいます。
そのとき頭に浮かんだのは、オーストラリアで出会ったヨガスタジオのことでした。自宅から歩いて5分のスタジオに通うことが何よりの楽しみだったあの日々。温かな人柄と経験に裏打ちされた指導力を持つ講師夫婦のもとに、地元のヨガ愛好家たちが自然と集まってくる、あのコミュニティの空気感。
「当時のようなWell-beingな生活や習慣、コミュニティを自分の手でもう一度つくりたい、人生の豊かさや愉しさを教えてくれたヨガをもっと深めてみたい」
この言葉の中に、継続教育の本質が凝縮されています。ヨガを「学ぶ」ことは、技術の習得にとどまりません。ヨガ哲学の観点から言えば、学びとは自己探求(スヴァーディヤーヤ)の実践そのものです。八支則の中にも含まれるこの概念は、自分自身を知り続けることを修行の一部として位置づけています。杏奈さんが感じた「もっと深めたい」という衝動は、まさにこの方向性と重なります。
2022年から生活の拠点をベトナムに移していたこともあり、オンラインで受講できるスクールをいくつか検討しました。最終的な決め手となったのは、仕事と育児を抱えながらでも自分のタイミングで学習を進められそうだという手応えと、事前説明会でのスタッフの丁寧な対応でした。
学びの過程で見えてきたこと:停滞と前進の繰り返し
学習が始まると、思い描いていた通りには進まない現実がありました。仕事と育児の合間に時間を確保することの難しさ、そして何より、自身のデモンストレーションへの自信のなさ。結果として、資格取得までに1年以上の時間がかかりました。
それでも、止まりませんでした。動画講義は24時間いつでも視聴でき、取得期限もないため、自分のペースで学習を続けることができました。OREO YOGA ACADEMYのRYT200オンラインコースは全20講義・動画28本で構成されており、1本あたり最大60分程度の短い動画に分かれています。育児の合間や仕事終わりの時間を使って、少しずつ積み重ねていける設計です。
「何度も何度も先生方のデモンストレーションをビデオで見返し、実践を繰り返し、最終的には、目の前の杏奈さんに自信を持ってヨガをお伝えできるようになりました」
この「繰り返し見返す」という行為は、学習の観点から非常に重要です。ヨガの指導技術、特にアーサナのデモンストレーションや言語キューイングは、一度見ただけでは身につきません。身体の使い方を言語化する能力は、自分自身が何度もポーズを試み、観察し、修正するプロセスを経て初めて磨かれます。動画を繰り返し視聴できる環境は、この反復学習を支える上で実質的な意味を持ちます。
対面セッションでは、初回の緊張の中でも講師の肯定的なフィードバックが自信につながり、回を重ねるごとにインストラクションの精度が上がっていきました。3回目のセッションでは、より実践に近い具体的なアドバイスをもらい、それを実際の指導に取り入れることができたといいます。
「1年以上かけて取得されたことを、私は決して遠回りだとは思いません。デモンストレーションへの自信が持てないまま前に進もうとせず、何度も見返して実践を重ねた。その時間こそが、指導者としての土台になっています。ヨガの指導で大切なのは、今できるところで十分、という感覚を自分自身が体感していること。その感覚は、急いで取得した資格からは生まれません」
— 間宮 愛(ヨガインストラクター)
ヨガアライアンス継続教育が問いかけること:資格取得後の学びをどう設計するか?
RYT200はヨガのテクニック・哲学・解剖学・倫理の基礎を学ぶ200時間の資格であり、多くのインストラクターがここからキャリアをスタートさせます。しかし、取得はゴールではなくスタートラインです。全米ヨガアライアンスが継続教育の仕組みを設けているのも、この考え方を制度として具現化したものと言えます。
杏奈さんが経験した「停滞感」は、オンライン学習に特有の課題でもあります。自分のペースで進められる自由さは、裏を返せば外部からの締め切りや強制力がないということでもあります。継続教育においても同様で、3年間で30時間という要件は、計画的に取り組まなければ気づいたときに積み残しが生じます。
OREO YOGA ACADEMYはYACEP認定プロバイダーとして、継続教育プログラムを提供しています。RYT200取得後も同じ環境で学び続けられるため、学習の文脈が途切れにくいという利点があります。担当制サポートのもと、LINE・メール・電話での相談が可能で、学習が停滞しそうなときにも相談できる体制が整っています。
杏奈さんが感じた「事務局からのサポートの一声があると嬉しい」という感想は、継続教育を設計する上で重要な示唆を含んでいます。学びを続けるためには、内発的な動機だけでなく、適切なタイミングでの外部からの働きかけが有効に機能することがあります。
解剖学とアライメントの視点が変えた、身体への向き合い方
RYT200のカリキュラムの中でも、解剖学の学習は多くの人にとって大きな転換点になります。杏奈さんが繰り返し動画を見返し、自身のデモンストレーションを磨いていく過程で、ポーズの「形」だけでなく「なぜその形なのか」という理解が深まっていきました。
ヨガの指導において解剖学の知識が重要なのは、人それぞれ骨格や筋力、可動域が異なるからです。同じポーズでも、ある人には安全で効果的な形が、別の人には負担になることがあります。アーサナを「正しい形に自分の体を合わせる」のではなく、「自分の体にアーサナを当てはめていく」という発想の転換は、指導者にとっても実践者にとっても根本的な視点の変化をもたらします。
「指導を続けていると、『無理をしないで』とお伝えしても、アーサナに自分の体を合わせようとする方が多いことに気づきます。体型も骨格も筋力も人それぞれ異なるのだから、完成形も人によって違うはずです。継続教育で解剖学を深めることは、この視点を自分の中に定着させる作業でもあります。今の呼吸を観察しながら、安定するところを選ぶ。その感覚を指導者自身が持ち続けることが、杏奈さんへの丁寧な案内につながります」
— 間宮 愛(ヨガインストラクター)
RYT500のカリキュラムでは、ミスアライメントの修正と解剖学がひとつのモジュールとして構成されており、RYT200で学んだ基礎をさらに深める設計になっています。継続教育の文脈でRYT500を目指す人にとって、この専門性の積み上げは指導の幅を広げる実践的な意味を持ちます。
学びが日常に溶け込むとき:継続教育の先にある変化
資格取得から時間が経った今、杏奈さんはベトナムの南国気候の中でリフレッシュヨガを企画したいという目標を持っています。ブーゲンビリアやヤシの木の下で、人々の生活にヨガが自然と根付いていく場をつくりたいという構想は、オーストラリアで感じたコミュニティの温かさへの応答です。
この変化の軌跡を振り返ると、継続教育が単なる資格維持の手続きではないことが分かります。学びを続けることで、指導者としての自信が育ち、自分が伝えたいことの輪郭が明確になり、次の目標が生まれてくる。その循環こそが、ヨガアライアンスの継続教育が持つ本来の意味と言えます。
OREO YOGA ACADEMYでは、RYT200取得後もYACEP継続教育プログラムを通じて学びを続けることができます。3年間で30時間という要件を、義務として消化するのではなく、自分の指導スタイルを深める機会として活用できるかどうかは、どんな環境で学ぶかによっても大きく変わります。
なお、全米ヨガアライアンスへの資格申請には、登録料として申請料50ドルと年会費65ドルが別途必要です。継続教育の計画を立てる際には、この費用も含めて長期的な視点で準備することが大切です。
受講形式と費用:自分に合った学び方を選ぶために
杏奈さんが選んだオンライン形式は、海外在住・仕事・育児という三つの制約を抱えた状況に最も合った選択でした。OREO YOGA ACADEMYのRYT200は、オンライン・全国出張の短期集中マンツーマン・合宿リトリートの三つの形式から選ぶことができます。
RYT200オンラインは270,000円(税別)で、クレジットカードを利用すれば月々13,500円からの20回分割払いにも対応しています。銀行振込の場合は一括払いのみですが、5,000円の割引が適用されます。取得期限はなく、自分のペースで学習を進められます。全国出張の短期集中マンツーマンは310,000円(税別)で、講師が全国47都道府県に出張して2日間の対面指導を行います。出張費はコース料金に含まれており、最終日に実技テストを実施します。合宿リトリートは350,000円(税別)からで、沖縄・京都・軽井沢の3拠点から選択でき、2泊3日・少人数制5名以内で集中的に学べます。宿泊費はコース料金に含まれますが、交通費は別途必要です。
どの形式を選ぶかは、生活環境・学習スタイル・対面指導へのニーズによって変わります。杏奈さんのように海外在住や時間的制約がある場合はオンライン形式が現実的な選択肢になりますし、実技指導を対面で受けたい場合は短期集中マンツーマンや合宿形式が向いています。事前に毎日開催されている1対1のオンライン個別説明会(約60分)を活用して、自分の状況に合った形式を確認することをお勧めします。
よくある質問
まとめ:継続教育は「終わり」ではなく「始まり」の設計
ヨガアライアンスの継続教育を「資格維持のための義務」として見るか、「自分の指導と実践を深め続けるための仕組み」として見るかで、学びの質はまったく変わります。杏奈さんが1年以上をかけてRYT200を取得し、今もベトナムの地でヨガを伝える場をつくろうとしている姿は、継続的な学びが人の在り方をどう変えていくかを示しています。
これからRYT200の取得を考えている方も、すでに資格を持ちながら継続教育の方向性を探っている方も、まず自分が「なぜヨガを深めたいのか」という問いに向き合うことが出発点になります。その答えが明確であれば、学びの形式や期間は後から選べます。
OREO YOGA ACADEMYでは、RYT200からYACEP継続教育まで、学びのステージに応じたプログラムを提供しています。詳細は公式サイト(https://oreo.yoga/)で確認できます。自分のペースで、自分に合った形で、学びを続けていく最初の一歩を踏み出してみてください。
参考文献
- Yoga Alliance 認定トレーニングの選び方 Yoga Alliance(参照日: 2026年05月)
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