30年近く走り続けた会社人生に区切りをつけ、シンガポールで新たな日々を始めた結衣さんが、ヨガ指導を自分の言葉で伝えることを目指してRYT200を取得するまでの道のりは、資格そのものよりも「なぜ伝えたいのか」を問い続けるプロセスでした。ヨガ指導において自分の言葉で伝えるとはどういうことか、その問いに向き合い続けた一人の歩みを通じて、指導者としての学びの本質を探ります。
この記事のポイント
- ヨガ指導で「自分の言葉で伝える」力は、知識の暗記ではなく、自身の体験と哲学の理解が土台になって初めて育まれます。
- バーンアウトからヨガに救われた経験が、指導者としての言葉に深みと説得力をもたらします。
- 座学・実技・マンツーマンセッションを組み合わせた学習プロセスが、自分の言葉を見つける実践の場になります。
ヨガ指導で「自分の言葉で伝える」とは何か?
ヨガのインストラクターになるために必要なものを問われると、多くの人は柔軟性や体力を思い浮かべます。しかし現場で長く指導を続けているインストラクターが口をそろえて言うのは、「技術より言葉が大切」という点です。
ヨガ指導における「自分の言葉で伝える」とは、教科書の文章をそのまま読み上げることでも、他のインストラクターのキューイングを模倣することでもありません。自分が実際に感じ、理解し、腑に落ちた体験を通じて、目の前の人に届く言葉を選ぶことを指します。全米ヨガアライアンスのRYT200は、ヨガのテクニック・哲学・解剖学・倫理の基礎を学ぶ200時間の入門資格として位置づけられており、多くの新人インストラクターがこの資格から指導者の道を歩み始めます。その200時間の学びが何のためにあるのかといえば、結局のところ「自分の言葉を持つための土台づくり」に他なりません。
ヨガ哲学の視点から見ると、この「自分の言葉」はサンスクリット語で「スヴァーディヤーヤ(自己学習・自己探求)」と呼ばれる概念と深く結びついています。八支則のニヤマ(内的規律)の一つであるスヴァーディヤーヤは、聖典の学習と自己観察を通じて真の自己を知ることを意味します。指導者が自分の言葉を持てるかどうかは、この自己探求をどれだけ誠実に続けているかにかかっています。
なぜ結衣さんはヨガ指導を目指したのか?
結衣さんがRYT200の取得を決めた背景には、約30年間にわたる会社人生と、その終わりに訪れた深い疲労がありました。大きな責務をいくつも乗り越えながら走り続けた日々は充実していた一方で、家族や自分自身への時間を長く犠牲にしてきました。組織の変更をきっかけに退職を選んだとき、初めて自分がバーンアウト(燃焼しきっている状態)であることに気づいたといいます。
「生活の大きな変化に、心が揺れて、整理がつかず、落ち込んだり悩んだり、不安に苛まれる状態にありました。そんな人生の大きな岐路に立っているときに、ヨガと出会い救われました」
この体験が、指導者を目指す動機の核心になりました。ヨガを通して心や身体に不調を抱えている方のサポートをしたい、という思いは、教科書から生まれたものではなく、自分自身の痛みと回復の記憶から来ています。だからこそ、その言葉には重みがあります。
呼吸法の観点から補足すると、バーンアウト状態にある人の呼吸は慢性的に浅くなり、交感神経が優位な状態が続きます。ヨガのプラナヤーマ(呼吸法)が自律神経のバランスを整える働きを持つことは、現代の生理学的知見とも一致しており、結衣さんがヨガに「救われた」と感じた体験には、こうした身体的なメカニズムも関わっています。指導者として「呼吸を整えましょう」と伝えるとき、この体験を持つ人の言葉は、持たない人のそれとは質が異なります。
「結衣さんのように、ご自身の苦しい経験がヨガへの入口になった方は、指導者としての言葉の根っこが最初から深いんです。『無理しなくて大丈夫』という一言も、体験を持つ人が言うのと、そうでない人が言うのとでは、受け取る側の感じ方がまったく違います。自分の体験を学びの文脈に置き直す作業が、RYT200の学習プロセスの中で自然に起きていきます」
— 福田 舞(ヨガインストラクター)
海外からの学びをどう選んだのか?
RYT200の取得を決めた当時、結衣さんはシンガポールに在住していました。約6年前に仕事の関係で移住し、いずれは日本に戻ってヨガに関わる仕事をしたいという思いから、日本語で受講できるオンラインコースを探し始めました。
複数のスクールを比較する中で、OREO YOGA ACADEMYを選んだ決め手は二つありました。一つは、全ての講義がアーカイブされており自分のペースで進められること、もう一つは、講師と直接やり取りできるマンツーマンのセッションがコースを通じて組まれていたことです。
「指導内容の参考となるサンプルビデオを希望した時に、丁重にたくさんのサンプルビデオを共有していただき、内容を拝見して指導法がすごくわかりやすく、教え方がとても丁寧という印象を持ちました。これらの点がOREO YOGA ACADEMYを選ぶ決め手となりました」
OREO YOGA ACADEMYのRYT200オンラインコースは、全20講義・動画28本の録画講義が提供されており、1回あたり最大60分程度の短い動画に分かれています。24時間いつでも視聴でき、取得期限もありません。シンガポールと日本の時差がある環境でも、自分のスケジュールに合わせて学習を進められる設計は、結衣さんのような海外在住者にとって実質的な選択肢になりました。
学びの過程で「自分の言葉」はどう育まれたのか?
コースを受講し始めた結衣さんが最初に感じたのは、サンプルビデオで受けた印象が「裏切られることなかった」という安堵でした。座学(哲学・歴史・解剖生理学・アーユルヴェーダなど)と実技(アーサナやプラナヤーマの行い方・効果・禁忌・指導法など)のバランスが良く、課題のボリュームも無理のない範囲に収まっていたといいます。
「先生の説明も漏れがなく、とても丁寧でわかりやすく、座学と実技の内容のバランスが良いと感じました。また、こなしていく課題の内容やボリュームが、無理のない範囲で適切なボリュームだと感じました」
特に印象に残ったのが、ヨガの教本であるヨガスートラやバガヴァッド・ギーターを引用した哲学の解説でした。教科書の内容をそのまま伝えるのではなく、ポイントをまとめ直して説明する講師の姿勢が、「自分の言葉で伝える」とはどういうことかを体感させてくれたといいます。
解剖学の授業も、指導者としての言葉を変えるきっかけになりました。アーサナの効果や禁忌を身体の構造から理解することで、「このポーズは膝に注意してください」という一言の背景に、筋肉や関節の具体的なイメージが伴うようになります。指導法の視点から見ると、解剖学的な理解は「できない」を「なぜできないのか」に変換する力を与えてくれます。その理解があるからこそ、「できなくても全然OKですよ、身体の構造上、今はここまで十分です」という言葉が、単なる励ましではなく根拠のある言葉として届くようになります。
マンツーマンのセッションでは、毎回実践的な質問を用意して臨んでいたといいます。録画動画で学んだ内容を、ライブのセッションで直接確認できる機会は、知識を「自分のもの」にする上で大きな役割を果たしました。講義では講師と個別に日程を調整しながら進めるため、自分の疑問や学習ペースに合わせた深掘りができます。
壁にぶつかったとき、何が支えになったのか?
海外在住でのオンライン学習は、時間の自由度がある反面、孤独になりやすい環境でもあります。結衣さんが学びを続けられた理由の一つは、コース内のリソースの豊富さにありました。講義動画以外にも、アーサナごとのアライメント指導法動画や、さまざまなテーマでデザインされたレッスン動画が提供されており、困ったときの参照先として機能しました。
「こういったコンテンツが詰まっているラーニングポータルへは、卒業しても継続してアクセスができ、自由にいつまでも見られます。とても素晴らしい配慮だと思いました。私も実際卒業した後も、大いに活用していて、とても重宝しています」
卒業後も動画視聴が可能な設計は、指導を始めてから「あのポーズのアライメントをもう一度確認したい」という場面で実際に役立っています。学びは資格取得で終わるものではなく、全米ヨガアライアンスの方針においても、資格取得後は継続教育の受講と会員資格の更新が求められています。3年間で30時間の継続教育という要件は、指導者としての学びを生涯続けることを前提にした制度設計です。その意味で、卒業後もアクセスできる学習環境は、継続的な成長を支える実質的な資産になります。
また、課題として提出した指導のレッスン構成動画に対して、モチベーションが上がるフィードバックをもらえたことも、学びを続ける力になりました。一時帰国の際には、マンツーマンで指導してくれた講師のクラスを実際に受けに行ったといいます。オンラインで学んだ内容が、対面の体験と結びついた瞬間でした。
「オンラインで学んでいると、どうしても『本当に身についているのか』という不安が出てきます。でも、それを確かめる機会がマンツーマンセッションや課題のフィードバックの中にあると、不安が確信に変わっていきます。結衣さんのように、毎回質問を用意してセッションに臨む姿勢こそが、オンライン学習を深める最大の鍵だと思います」
— 福田 舞(ヨガインストラクター)
ヨガ指導を自分の言葉で伝えるために、今どう歩んでいるのか?
RYT200を取得した結衣さんが次に見据えているのは、セラピックヨガの領域です。
「まずは、健康促進、病気になる前の予防措置として、ヨガを教えていきたいと考えています。また、専門分野での知識と練習を深め、いずれは、心身に不具合を抱えている方のサポートとなれるように、セラピックヨガが提供できるようになりたいと思っております」
この言葉は、RYT200取得の動機として語った「ヨガを通して、心や身体に不調を抱えている方のサポートをしたい」という思いと、一本の線でつながっています。資格取得がゴールではなく、自分が救われた体験を誰かに届けるための手段として位置づけているからこそ、学びへの姿勢が一貫しています。
ヨガ指導において「ホリスティック(身体・心・精神・環境・生き方などの総合的)な観点」を持つことは、RYT200のカリキュラムが目指す方向性とも重なります。解剖生理学だけでなく、哲学・歴史・アーユルヴェーダを含む幅広い学びは、身体の動きだけを見るのではなく、その人の全体を見る視点を育てます。結衣さんが「ホリスティックな観点からヨガに精通されている」と感じた講師の姿勢は、まさにそのような視点の体現でした。
自分の言葉で伝えるとは、最終的には「なぜ自分がヨガを伝えたいのか」という問いへの答えを持つことです。その答えは、知識の量ではなく、体験の深さから生まれます。結衣さんの場合、それは30年間の会社人生と、その後に訪れたバーンアウトと回復の記憶です。その記憶があるからこそ、苦しみを抱えた人に届く言葉を選べます。
よくある質問
まとめ:自分の言葉を持つために、今できることは何か?
ヨガ指導で自分の言葉を持つための第一歩は、「なぜ伝えたいのか」を自分に問うことです。その問いへの答えが明確であるほど、学びの過程で得た知識は「使える言葉」に変わっていきます。
結衣さんの歩みが示すのは、資格取得のプロセス自体が自己探求の場であるということです。哲学・解剖学・実技・マンツーマンセッションという複数の学習経路を通じて、知識は体験と結びつき、言葉は深みを持ちます。OREO YOGA ACADEMYのRYT200オンラインコースは270,000円(税別)から、クレジットカードでの分割払いにも対応しており(1回から20回まで)、海外在住者を含む多様な状況の人が学びを始めやすい設計になっています。
「少しずつ」という言葉が示すように、指導者としての言葉は一日で育つものではありません。しかし、自分の体験を出発点に学びを積み重ねていけば、必ず自分にしか言えない言葉が育ちます。その言葉こそが、目の前の人に届くヨガ指導の核心です。
OREO YOGA ACADEMYでは、毎日1対1のオンライン個別説明会を開催しています。学びを始める前の疑問や不安を、担当者に直接確認できる機会として活用してみてください。
参考文献
- Yoga Alliance 認定トレーニングの選び方 Yoga Alliance(参照日: 2026年05月)
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