「思いは伝わる」と感じさせてくれる先生に出会ったとき、指導への向き合い方が変わることがあります。オランダで子育てをしながらRYT200を取得した里奈さんは、そんな体験を通じて、ヨガ指導における「身体の信頼感」の意味を深く理解した人です。慣れない土地、コロナ禍、育児の隙間という3重の制約の中で学びを続けた軌跡は、ヨガ指導と身体の信頼感について考えるうえで、多くのことを示してくれます。
この記事のポイント
- ヨガ指導における身体の信頼感は、完璧なポーズの習得よりも「その人なりの心地よさ」を一緒に探す姿勢から生まれます。
- 育児・海外在住・コロナ禍という制約の中でも、自分のペースで学べる環境を選ぶことで、資格取得と指導デビューを両立できます。
- 真摯に指導する講師の姿勢は生徒に伝わり、その体験が「自分もこう指導したい」という指導哲学の土台になります。
ヨガ指導における「身体の信頼感」とは何か?
ヨガ指導における身体の信頼感とは、インストラクターが生徒一人ひとりの身体の状態を丁寧に観察し、その人の内側から湧き出る感覚を尊重しながら導く能力のことです。ポーズの正確さを追求するだけでなく、呼吸の変化や筋肉の緊張を読み取り、「今日のこの人に何が必要か」を判断する力とも言えます。
ヨガ哲学の観点から見ると、サンスクリット語の「アヒムサー(非暴力)」という概念がこの信頼感の根底にあります。自分の身体に対して無理を強いないこと、そして指導者として生徒の身体に対して敬意を持つこと。この姿勢が、ヨガの8支則における最初の戒律「ヤマ」の核心でもあります。完璧なポーズを求めるより、昨日の自分より少し前に進めればいい、という考え方は、この哲学と深く結びついています。
指導者として身体の信頼感を育てるには、まず自分自身の身体との対話を深めることが出発点になります。里奈さんが資格取得の過程で得た気づきは、まさにこの点にありました。
なぜオランダからヨガの資格取得を目指したのか?
出産を機に夫の母国であるオランダへ移住した里奈さんにとって、コロナ禍は孤立感をいっそう深めるものでした。言語も文化も異なる土地で子育てをしながら、「日本語で何かを学びたい」「身体を動かしたい」という気持ちが静かに膨らんでいったといいます。
「インターナショナルの資格であればオランダで仕事に繋げることができるかもしれない。そんなザックリとした思いがきっかけです」
「ザックリとした思い」という言葉に、かえって正直さが宿っています。明確なキャリアビジョンがなくても、身体を動かすことへの純粋な欲求と、学びへの渇望が重なったとき、人は動き出せるのだということを、この一言は示しています。
全米ヨガアライアンスのRYT200は、ヨガのテクニック・哲学・解剖学・倫理の基礎を学ぶ200時間の入門資格であり、国際的に通用する資格として世界中のインストラクターが取得しています。オランダでの就労を視野に入れた里奈さんにとって、この国際通用性は大きな決め手の1つでした。
スクール選びの基準は明快でした。オランダ在住でもオンラインで受講できること、子育ての隙間に自分のペースで学べること。そして、ホームページで見た講師陣の印象が「お綺麗で優しそうだった」こと。最後の理由は1見ささやかに見えますが、指導者との信頼関係が学びの質を左右するヨガの世界では、第1印象の安心感は決して小さくありません。
育児の隙間で学ぶ——自分のペースが生んだ深い理解
OREO YOGA ACADEMYのRYT200オンラインコースでは、全20講義・動画28本の録画講義が提供されており、1回あたり最大60分程度の短い動画に分かれています。24時間いつでも視聴でき、取得期限もありません。子どもが昼寝をした隙間、夜の静かな時間、朝の早起きした数十分。里奈さんはこの柔軟性を最大限に活かしながら学びを積み重ねていきました。
「何度も見たり聞いたりできたこと。コツやポイントがとても分かりやすく説明、解説があったこと。非常に嬉しかったです」
「何度も見たり聞いたりできた」という言葉は、単なる利便性への感謝ではありません。ヨガの学びには、知識として頭に入れる段階と、身体で理解する段階があります。解剖学の授業で股関節の構造を学んでも、それが自分のダウンドッグの感覚と結びつくまでには時間がかかります。繰り返し視聴できる環境は、この「頭の理解」と「身体の理解」をつなぐ時間を十分に確保してくれるのです。
「里奈さんのように、育児や生活の制約がある中で学ぶ方ほど、自分のペースで繰り返せる環境との相性が良いと感じています。ヨガの理解は1度聞いて終わりではなく、身体で試して、また戻って確認して、少しずつ深まっていくものです。『自分のペースで大丈夫ですよ』というのは、私が指導の場でよく伝える言葉でもあります」
— MAYU(ヨガインストラクター)
動画講義で理論を学んだ後は、講師との1対1のLINEマンツーマン実技セッションで実践力を磨きます。日程は講師と個別に調整できるため、時差のあるオランダからでも無理なく参加できました。里奈さんはこのセッションを通じて、3名の講師とやりとりをする機会を得ました。
「思いは伝わる」——講師との対話が変えた指導への視点
実技セッションで3名の講師と向き合った体験は、里奈さんにとって単なる技術習得の場を超えたものになりました。それぞれの講師が持つ個性と、指導への真摯な姿勢が、学ぶ側の心に確かな何かを残したのです。
「3名の先生とセッションさせていただきましたが、担当講師も個性溢れる魅力的な方々でした。私もレッスンするときはこのように、真摯に1生懸命にしよう。思いは伝わると思わせてくれる先生方でした」
この言葉は、ヨガ指導における身体の信頼感の本質を突いています。インストラクターの「思い」とは、生徒の身体に対する誠実な関心のことです。ポーズの形を整えることより、その人が今どこに緊張を抱えているか、どこに解放の余地があるかを感じ取ろうとする姿勢。それが生徒に伝わったとき、身体は自然と開いていきます。
指導法の観点から言えば、インストラクターの意図は言語的なキューイングだけでなく、声のトーン、間の取り方、呼吸のリズムを通じても伝達されます。「呼吸を忘れずに」という一言が、どんな呼吸で、どんな間で発せられるかによって、生徒の身体への影響はまったく異なります。里奈さんが感じた「思いは伝わる」という実感は、この非言語的なコミュニケーションの力を体感したものだったのでしょう。
セッションでは積極的に質問を重ね、ヨガのポーズを写真や動画で熱心に練習する姿勢が講師陣にも印象的に映ったといいます。学ぶ側の真摯さが、教える側の真摯さと共鳴したとき、そこに生まれる信頼感は特別なものです。
「指導者として生徒の前に立つとき、私が1番大切にしているのは、その人の身体の状態を感じようとすること。完璧なポーズを求めるより、その人なりの心地よさを1緒に探すことが大切だと、長年の指導の中で気づきました。里奈さんが講師の姿勢から感じ取ったものは、まさにその核心だったのだと思います」
— MAYU(ヨガインストラクター)
資格取得後——オランダからZoomで繋がる指導の現場
RYT200を取得した里奈さんは、学びを終えた後すぐに指導の場へと踏み出しました。オランダ時間の11時、日本時間では18時。毎週月曜日にZoomを使ったオンラインヨガレッスンを定期開催しています。
「多くの方々と繋がりたいです」
慣れない土地での孤立感から始まった学びの旅が、今度は自分が誰かと繋がる場を生み出しています。かつて「日本語で何かを学びたい」と感じた気持ちが、「日本語でヨガを届けたい」という行動に変わった。この変化の軌跡には、身体の信頼感が指導者として育っていく過程が凝縮されています。
全米ヨガアライアンスのRYT200資格は、取得後も継続教育の受講と会員資格の更新、そしてYoga AllianceのEthical Commitmentの遵守が求められます。3年間で30時間の継続教育が必要であり、そのうち最低10時間はコンタクトアワーとして実施します。里奈さんが今後も学び続けながら指導の場を広げていくための土台は、しっかりと整っています。
アロママッサージセラピストとしての経験も持つ里奈さんにとって、ヨガ指導は身体へのアプローチをさらに広げるものでもあります。香りと呼吸、タッチと動き。異なるモダリティが交わる場所に、その人だけの指導スタイルが生まれていきます。
OREO YOGA ACADEMYのRYT200——学び方の選択肢について
OREO YOGA ACADEMYは全米ヨガアライアンス認定校(RYS)として、複数の受講形式からRYT200の取得を目指せる環境を整えています。里奈さんが選んだオンラインコースのほかに、全国出張の短期集中マンツーマン、沖縄・京都・軽井沢での合宿リトリートという形式もあります。
RYT200オンラインコースは270,000円(税別)で、クレジットカードを利用した場合は最大20回の分割払いに対応しており、月々13,500円から始められます。銀行振込の場合は一括払いのみとなりますが、5,000円の割引が適用されます。取得期限はなく、動画は卒業後も視聴できます。
対面での実技指導を重視したい場合は、講師が全国47都道府県に出張して2日間のマンツーマン指導を行う短期集中マンツーマンコース(310,000円・税別)が選択肢になります。出張費はコース料金に含まれており、最終日に実技テストを実施します。少人数の環境で集中して学びたい場合は、2泊3日・5名以内の合宿リトリート(350,000円〜・税別、宿泊費込み・交通費別)という選択肢もあります。
なお、全米ヨガアライアンスへの資格登録には、コース料金とは別に申請料50ドルと年会費65ドルが必要です。受講形式の詳細や最新情報は、OREO YOGA ACADEMY公式サイト(https://oreo.yoga/)でご確認ください。
よくある質問
まとめ——身体の信頼感は、真摯な指導者との出会いから育つ
里奈さんの学びの軌跡が示すのは、ヨガ指導における身体の信頼感は、技術の習得だけでは育たないということです。真摯に向き合う講師の姿勢を体感し、「自分もこうありたい」と感じた瞬間に、指導者としての核が生まれます。
海外在住、育児中、コロナ禍という状況は、学びの障壁になり得るものでした。しかし自分のペースで進められる環境と、個別に対話できる講師の存在が、その障壁を学びの深さに変えました。制約の中で学んだからこそ、身体の感覚を丁寧に扱うことの意味を、頭だけでなく体感として理解できた可能性があります。
ヨガを指導することに興味を持ちながら、一歩を踏み出せずにいる方は、まずどんな指導者のもとで学びたいかを考えてみてください。資格の取得は出発点に過ぎませんが、どの出発点を選ぶかは、その後の指導スタイルの土台を形作ります。OREO YOGA ACADEMYでは毎日1対1のオンライン個別説明会を開催しており、受講形式や学習の進め方について直接相談できます。「今日の自分を褒めてあげましょう」という言葉を胸に、まず話を聞いてみることが、最初の一歩になるでしょう。
参考文献
- Yoga Alliance 認定トレーニングの選び方 Yoga Alliance(参照日: 2026年07月)
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